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2012年5月29日火曜日

油研ぎについての考察 と…

SONY NEX-3


この記事、数日前にほとんど完成していましたが、少し発酵(腐敗?)させてみました。

前回記事のコメント欄で雄さんと「油研ぎした時の仕上がりが良い」という話になりました。そのメカニズムを考察してみました。
結論は、油が導管という窪みを充満させるため、砥粒が入り込まないという仮説にたどり着きました。

まずは木を目の細かい耐水ペーパー(ドライ・水研ぎ)で仕上げた場合、灰色に汚れてしまうという現象のメカニズムについて。
これは砥粒が木材の導管に入り込むことで発生すると考えられます。
通常、ドライ・水研ぎともにペーパーの番手が上がってくると砥粒が細かくなり、導管に入り込んでしまいます。水研ぎに限って言えば、水に溶けた、より細かい砥粒が導管の中に堆積、水は木材内に拡散→蒸発、砥粒の残存という事になってしまいます。

つまり、木材の導管の中に砥粒が入らなければ汚れることはないともいえます。
導管の中に砥粒が入らないようにするためには

1.砥粒が導管よりも大きい。
2.導管が詰まっている。

という二つの選択肢があるということがわかりますが、目の細かいペーパーで汚れを防ぐには「2.」を実現する必要があります。

これを助けるのが「油」だと考えました。
油は水と比較して分子量が非常に大きいです。
水:H2O 分子量18
油:C18H30O 分子量278
※油はα-リノレン酸の値を使用。α-リノレン酸は亜麻仁油内最多の脂肪酸。

分子量が大きいということは占める体積も大きいということです(正確に何倍大きいか、求める方法もあるようですが、ちょっとそこまでは…^^;)。
また、油の木材への浸透力・蒸発性は水よりも小さいため、導管という窪みを充満させると考えられます。油で導管が満たされているため、砥粒は入り込まない、という寸法です。



全部私の空想です。どんどんつっこんでやってくださいm( _ _ )m



実は考えてる途中までは研磨剤のSiCのCが油脂と結合してるのかな、なんて思ったんだけど、ちょっと違いました。「化学的な作用」ではなかったです(^^;)雄さんのいう「目止め」に近かったです。雄さんごめんなさいm( _ _ )m




シンヤさんから頂いたコメント「研磨力が上がった気がする」というコメントも、油の蒸発性の低さからペーパー表面に不要砥粒がくっつくのを防ぎ、初期研磨力が持続するんじゃないかな、なんて推測してます。
簡単にフローチャートにするとこんな感じ?

水研ぎ→砥粒の微細化→水の蒸発→ペーパーへ微細砥粒が固着→研磨力の低下
       ↓ 
       砥粒を含む水滴の飛散→研磨力の低下

油研ぎ→砥粒の微細化→蒸発性の低い油→砥粒を高濃度に含む油→高研磨力
       ↓
       高粘度のため低飛散→研磨力の維持



この現象、ほんとのところはどうなのか、シンヤさんに「学校の先生に聞いてきて!」なんてお願いするのが一番かもなんて考えてるのはここだけの秘密です(^^)



おまけ
考えてる途中で見つけた面白いWiki(鉄と鋼の研削・研磨にダイヤモンドとSiCは向かない!?)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%94%E7%A3%A8%E5%89%A4



別件。


先日電車に乗ってると、心臓ペースメーカーを付けられている人が入ってきた。仮にAさんとします。位置関係はこんな感じ。ボックス席は実際は優先座席。○にAさんが立っている、□に私がつり革につかまっている。車内は乗車率約100%(座席は全員着席、つり革、握り棒の大部分は使用中。)


Aさん:「心臓の調子が悪いので携帯電話をいじらないでくださーい!」と言いながら車両に入ってくる。
Aさん○部に到達。
私は携帯電話の電源を切ろうとする。
Aさん:「携帯触るなって言いよるのに、信じられん!」
私:「電源を切ろうとしてるんですが…」
Aさん:「そんなんきっとけや!」
私:「すみません…」


この状況、どうすべきなのか!?

①電車に乗る段階で携帯電話を切っておく。
②Aさんが入ってきても電話は触らない。

はい、①が正解ですよね…。
今後気を付けます。

まてまて、ボックス席はすべて着席済みだ。
この場合ボックス席に座っている人はどうすべき?おそらく携帯電話を持っており、電源も入っていると思われる。

①携帯電話の電源を切る
②携帯電話の電源はそのまま


この状態、Aさんの発言によって周りの人には
「やべえ、携帯触ったらこうなるんだ…」感を味わってると思われる。
よって②を選ぶ可能性が大。

結局、
乗客:Aさん怖い
Aさん:ペースメーカーが不安

これ、誰にもメリットないじゃん(^^;)
周りの乗客は「ペースメーカー使ってる人がいても、電源切らずに静かにしとこ…」って結論に至ってると思われ、一番迷惑を被るのはAさん以外のペースメーカーを使用する人になると…。

なんとも言いようのない一件でした…。

17 件のコメント:

ものずき さんのコメント...

自分はハンドルの研磨は水研ぎしちゃってますw
木材ハンドルの場合は、桐油塗って乾燥させてから研磨してます。
使うペーパーはブレイド研磨の使い古しだったりしますw
空研ぎだと研磨力が一定しないので、ヒルトやファスナーボルトとハンドル材を一緒に研磨するのはやりにくい(きれいにいかない)ですね。

電磁波によるペースメーカーの誤動作の事例って聞いた事ないけど、実際どうなんでしょうね?
余程の強電界でなければ問題ない様な気もしますが・・・

匿名 さんのコメント...

油の分子の大きさが、導管を埋めるのに十分大きい、ということでしょうか。
僕的には、導管に入り込む油分子の間に砥粒や木粉が混入したり、砥粒や木粉が導管の油を押し出したりしながら目止め効果を発揮してるようなイメージを抱いています。
ピンクアイボリーウッドとか白っぽい木で実験してみれば分かりますかね~。

あひる さんのコメント...

木材ハンドルの砥粒での汚れ、3月頃に作ってた白っぽいバール材で悩みました・・・
ものずきさんの言われるように空研ぎだとイマイチうまくいかなくて、結局はものずきさんのマネしてちゃってますね~

鉄材に対してダイヤモンドが向かないってのは、ワタシの本業旋盤、フライスなどの刃物では良く言われてますよ
ダイヤバイトは当然硬いですけど、対象となる被削材は軟らかい銅合金などの非鉄金属で、
その加工面の面粗度の向上を目的に使いますね~

K職人 さんのコメント...

難しい問題ですね。
現行の携帯はほぼペースメーカ大丈夫って話もありますからね。
ペースメーカーの方も、言葉が過ぎる様な?命かかってるからしょうがないかな?

gfdさんは、あそこでキレなかったので、一番偉いですよ!
よく我慢しました!パチパチ!

導管は油研ぎで埋める方法もありますし、その詰まりや青棒などが目に入り込んだときは灯油で洗うと取れます。 でも白木ですと滲むので完全には取れないですね。

シンヤ さんのコメント...

導管問題は油の粒度・粘度(つまりは分子構成?)だと私も考えます。
本日も研磨していて水では木目にペーパーの粒子が詰まりましたが、その後油で取れました。

私も大学の切削工学等でダイヤモンドなどでの鉄の切削などは向かないと習いました。
なんでも、鉄(Fe)とダイヤモンド(C)が加熱などの熱で反応しあって工具が早く駄目になるとか。

あひる さんのコメント...

鉄とダイヤの刃物、シンヤさんの書いてる通りで刃物がアッという間に摩耗しちゃいますね~
超硬素材の中でも硬度が低めで粘りのあるタイプか、セラミック系の刃物が一般的ですよ

ダイヤで真鍮とか加工するとピッカピカに仕上がりますけどね~

K職人 さんのコメント...

油研ぎとオイルフィニッシュが一緒になってしまってるのでは?と

油研ぎ(乾燥しない油)、もしくは水研ぎはペーパーの目を詰まりにくくする為。
また(木の場合)導管に入り込む木の粉、鉄粉を有る程度洗い流す効果も。

オイルフィニッシュ(乾燥する油?)はオープンボア仕上げの代表ですけど
サンドペーパーでオイルと共に擦り込むと、木の粉とオイルが目に入り込みある程度目止め効果があります。擦り込み、乾燥を何度も繰り返せば、効果も大きい。
でもシーラーの様な完全クローズドボアにはなりません。


私は↑と認識しておりますが。ハテ?

gfd さんのコメント...

油塗布→乾燥→水研ぎということでしょうか。
じゃあ、油研ぎでなくても良い仕上がりになると。ありゃ、仮説転覆(笑)

硬さの異なるものを一緒にペーパーを掛けるととやわらかいほうが痩せるんですよね。
私もボルスターとハンドル材はできるだけ分けて磨くようにはしています。

ペースメーカーの誤作動は…通常の状態では無いはずです。
ブラセポ効果って言葉もあるので何とも言えないんですが、ほんと、何とも言えないですね(^^;)

gfd さんのコメント...

つまり、歯磨き粉CM方式ということですね。
歯磨き粉は研磨粒ですが、それが汚れを掻き出していくイメージ(笑)
もし淡い色系の材料の研磨をするときは、どうなったか教えてください(^^)

gfd さんのコメント...

私も研磨に油を使おうと考えたのはものずきさんのブログからでした。
ただ、乾燥を待てずに磨いた結果が悪くなかったので、こんな考えになってしまいました…(^^;)

そうなんですね、業界では常識なんですね(汗)
自分の無知がばれてしまう(^^;)
確かに考えると、ハイス・超硬のバイトはよくありますが、ダイヤのバイトは見ないですね…。非鉄金属には良いんですね。

gfd さんのコメント...

やっぱり心臓は命がかかってるので、分からないとも言えないんですが…
自分の行動が、自分の同類の人たちを代表した行動になってるんだと、心によぎる一件でした(^^;)
あと、良いか悪いか、人前で大声をあげられるほど太い神経を持ってなくって(^^;)

導管に入った汚れは灯油で落とせるんですね。ただ灯油って、臭いやら石油系ってことやらで使いにくいなあってのが実感です。いい溶剤があれば…。

gfd さんのコメント...

検証してもらえましたか!
ブログにアップしてすぐに検証してもらえるのってうれしいです(^^)

よく勉強されてますね!
私も同じようなことを過去に勉強していたはずなんですが、まったく頭にありませんでした(汗)

gfd さんのコメント...

無知がお恥ずかしい限りです…orz
けれどもそれは機械加工のみってことですよね?加工時の熱が鉄と炭素を反応させるってことは、手加工など熱の発生が抑えられている限りは劇的な摩耗はおこらないと。

gfd さんのコメント...

金属のみならず木材にも詳しいんですね。
オープンボアとは何ぞや!?と思って調べました(笑)
塗膜を作らない塗装という認識でいいですか?

つまり、雄さんと同じような考え方ということでしょうか。
みなさんいろんな意見をお持ちで、私もどれが正解かちょっとわからないです(^^;)
もしこの工程があったときは、ぜひレポートお願いします(^^)

gfd さんのコメント...

みさんさんこんばんは

まさか、こんなにたくさんのコメントをもらえるとは、びっくり、そしてうれしいです(^^)
いろんな考え方があるんだなと思いました。これだけ考え方があると正直どれが正解かわかりません(汗)どれも正解ってこともありますし…
けれども、こんな風にいろんな方法や仕組みについて話ができるのって良いなって思もいました。

またよくわからない空想やら間違った仮説やらを書くかもしれませんが、よろしくお願いしますm( _ _ )m

ものずき さんのコメント...

油塗布→乾燥→水研ぎ→油塗布→乾燥→次の番手水研ぎ・・・
って感じで繰返します。要は水が滲みにくくしてから水研ぎします。
1番手ごとに何日か置かなければいけないので、時間が掛かってしまいます。
当て板使って掛けていれば、ニッケルシルバーなら木材と一緒に研磨しても大丈夫です。(ステンだとどうかな?)

gfd さんのコメント...

K職人さんの言われるオイルフィニッシュ的な仕上げですね。
導管を埋める+油の撥水性が効いてるんでしょうか。

当て板を使ったら多少の硬度差はあっても磨けるんですね。今度試してみます!
ちなみに、ステン+黒檀にペーパーを掛けると…あまり結果は良くなかったです(^^;)