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2012年4月14日土曜日

ロックスプリング 疲労破壊についての考察

SONY NEX-3 最大荷重時のスプリングの曲がり具合



ものずきさんに言われて気づきました。金属の変形をロックに利用するフォールディングナイフでは疲労破壊への対処が必要です。で、ちょっびっと調べました。

疲労強度を評価するには疲労限度線図といわれるものを用いるようです。以下のURLでとっても詳しくわかります。http://jikosoft.com/cae/engineering/strmatf09.html

↑のWEBサイトを読んで、以前作ったナイフは壊れないのか?考えた結果を書いてみます。

疲労限度線図に梁に発生する応力振幅と平均応力を座標にプロットすれば、その位置によってOK、NGが判定できるようです。

応力振幅というのは部品に発生する応力の振れ幅のこと、平均応力というのは部品に発生する応力の最大値と最小値の平均をとったものです。


まずは梁に発生する応力を求めることから始めます。
最大応力σmaxと最少応力σminを求める必要があります。


σ=My/I
σ:応力
M:曲げモーメント(下の式で求まります)
y:基準軸からの距離(梁の厚みの半分よって、スプリング厚0.778÷2=0.389mm)
I:断面二次モーメント(梁の計算サイトより0.118N/mm^4 ^^;)

M=FL
M:曲げモーメント
L:長さ(梁の始点から荷重点までのキョリ25mm)
F:荷重(最少 10N 最大 24N)
※最少荷重の求め方は梁の計算サイトより変位量が2.2mmになるところ(プリロード状態)の荷重にしてます。

以上の式を使います。


Mmax=25×24=600Nmm
σmax=600×0.389/0.118=1977MPa

Mmin=25×10=250Nmm
σmin=250×0.389/0.118=824MPa


この二つを使って、次は応力振幅σaを求めます
σa=(σmax-σmin)/2で求まるので、
σa=(1977-824)/2=576MPa

次は平均応力σm
σm=(σmax+σmin)/2で求まるので
σm=(1977+824)/2=1400MPa

これをさっきの疲労限度線図にプロットします。が、この線図、私はぱっと見じゃ理解できなかったので(^^;)、私なりの解釈も含めて下に書いてみます。黄色い丸σaσmをプロットした点です。
※材料(CRMO7)の降伏応力が不明のためネット上から拾ってきたざっくりの値800MPaをとって考えてます。



http://jikosoft.com/cae/engineering/strmatf10.html
↑(だいぶ下のほう)にプロットした点の位置による判定が記載。簡単に言うとプロット点が三角形とグッドマン線の囲む範囲に納まり、原点に近いほど良い。

え~、つまり、もう全然だめですね(笑)グッドマン線図とか考える前からダメダメ感が全開(^^;)この様子を見るとスプリングは塑性変形を起こしている…。降伏応力が3000MPa位ないと全然だめwどーすんかいな…。


結論:壊れないことを祈りながら使わなければならない。


この解釈であっているんだろうか?おかしなところがあれば教えてくださいm( _ _ )m。むしろこの解釈が違っていることを祈る…。


2 件のコメント:

ものずき さんのコメント...

計算しようとした事が凄い!
板バネと考えれば、何かしらの計算方法があるのかもしれませんが、最終的には経験的に解決するしかないのかも。
単純に考えるとスプリングの変形量はなるべく小さくして、ストロークを必要最小限に作るのがいいのかな。スプリングの表面処理も注意が必要なのかも・・・

gfd さんのコメント...

ものずきさんこんばんは。
そうですね、ストロークは少なく、変形量が少なく、するのが材料には優しいですね。
表面処理といえばショットピーニングなんかがあるって言われてますけど…。
けど、これだけ応力が発生してたら…(^^;)
あと、まだ検討中なんですが、ばね形状の工夫で降伏限界の三角形に入ってくるような気がしてるので、分かり次第また報告します(^^)