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2012年4月2日月曜日

呉市仁方やすり工場訪問記

SONY NEX-3 18-55mm(以下すべて)

 つい、勢いで。

 行ってきました。日本のやすりの95%を生産する広島県呉市仁方地区。ほとんどの会社はやすり団地というところで生産しているらしいが、今回伺ったのは民家の中で製造を続けている株式会社ワタオカさん。


 メールでアポを取ってすぐに返信をいただいた。ちなみにナイフ業界その他で一定の知名度のあるktokさんにもアポを取ってみたけど、忙しいらしく、今回は断念。

 ワタオカさんの工場はとても分かりにくい場所(^^;)場所の特定までに4回通過…。路上にいた人に声をかけて教えてもらいました。その人曰く「瓦屋根の民家の次のスレート屋根の建物」としか表現できないくらい、看板等もなく特徴のない建物(汗)


いきなり、工場見学させてもらいました。


  これがやすりの目を立てる機械。この日は稼働していませんでしたが、実はワタオカさんは某公共放送で特集されていて、その時にこの機械が動いているのはみていました。テーブルにワークを置くと斜めについている刃物が目を立てていく。
 上の機械の奥にはこんな景色。左が鋸の目立てやすりの側面の目を立てる機械。奥にあるのはレジンダー(!)何を削っているのかは…忘れました(^^;)
 上の機械のある建屋とは別の建屋があって、そこには電気炉と研削盤。仕掛品も多数。ちなみにワタオカさんのウリは鋸の目立てやすり。仕掛品もこれが多数。









が、
gfd「こんなにたくさん出てるんですか?何に使うんですか?」
社長「いやあ、分からないんですよ^^;」
なんてやり取りも(汗)
ある情報によると、目立てやすりは替刃ののこぎりには使えないらしい。替刃ののこぎりは衝撃焼き入れとか高周波焼き入れとか、やすりよりも硬いらしい。
ほんと、こんなにたくさんどこへ出ていくんだろう…。
また、
社長「良い使い方があったら教えてください」
とも。


これは在庫品の棚。多いとみるか、少ないとみるか、どんな単位で出荷されるかわからないので何とも言えない。この棚からいろんな種類のやすりを取り出していただいて実際に削って、選ばせてもらった。










 試し削りの様子。
 よくある平の複目やすりから電解仕上げの組やすり、中には試作品で500mmほどありそうな、弓のように沿ったやすりのお化けまで(笑)
 電解仕上げというのは電解液に付けて表面を磨くそうだ。磨いたあとは塩基で中和して錆も落として仕上げるそう。実際に使わせてもらうと確かに食いつきがよかった。
 やすりのブランクもあって、それは削るだけでナイフになりそうなかっこよさ(^^)

 思い返せば、組やすりと精密やすりは違うし、組やすりの「組」はサイズを表すのであって種類を表すのではない、というあたりがあいまいだったのでちゃんと意思伝達できてたかは微妙な部分も…。予備勉強が大切でした。








 ぶっちゃけ、なぜ工場訪問までしたのか?やすりが切れないだけなら「切れる」と評判のものを買えばいいのですが…。実は品質について若干の疑問があったからです。
WEB上には「ktokさんのやすりどうよ?」的な内容もありました。そして何より、自分で買ったやすりも「品質どうよ?」と思うことがあったからです。で、工場と製品を見て買おう、とおもいました。
 結論は、気にする人はたくさんの製品から選別して買うのが良い、でした。
気にしない人は大丈夫です。また、市場での要求レベルもこの程度なのだと思います。バリ取りや荒削りであれば十二分です。
 ただ、気になる人は自分の目で見て選ぶか、品質保証のある物(技能五輪用等)から選んだほうがよいと思います。今回はワタオカさんの好意でたくさんのなかから選んだものを持って帰らせてもらいました。
 

そして、工場訪問した人だけの特権もありました!


試作品&市場に出てないものが手に入ることです(^^)


それはまた次回。





























地方の車窓から。



今回の訪問をとおして、メーカーさんがサプライヤーの工場を見たがる理由がわかりました。

2 件のコメント:

シンヤ さんのコメント...

いいですね~。新しいやすりは買うつもりがないのに、目に入ってしまいます(笑)

さすがは広島というかそっちの地方。刃物鉄工系は産地ですね~。こっちのほうにもどこかやすりとかの工場ないかなぁ……。

ナイフショーなどが多く開かれるので、完成物を見る機会があるのですが、逆に作るときには材料・工具探しが専門店かネットでしかないんですよね(泣)


新しいやすりでの製作、頑張ってください!

gfd さんのコメント...

こんばんはシンヤさん。

いやあ、今回の訪問は特別です(笑)
それに、産地だとしても小さい会社の製品はお店じゃ売ってないですし、ネット通販は重要な入手経路です。こっちはナイフショーも年に1回しかないですし(^^;)やっぱり都に近いほうがいろんなものの入手性は高いと思います。

シンヤさんも製作はかどってるようですね。お互い頑張りましょう。